みなさん、こんにちは。
福島県 福島市 鎌田卸町のそば屋「十割げた蕎麦 真なり」です。
このブログでは、おそばに関するちょっとした豆知識を紹介していきたいと思います。
今日のテーマは、お蕎麦に関する落語で有名な「時そば」。
知っているようで知らない、「時そば」についてお話をしていきます。
蕎麦好きはぜひ聴いて|おそばの落語「時そば」
蕎麦が登場する落語の中で、特に有名で人気が高いのが「時そば」です。
この噺は、そばを食べる際のやり取りを通じて、江戸時代の商売人の知恵やユーモアが生き生きと描かれた作品です。
時そばのあらずじ
物語の主な内容は、ある男が深夜にそば屋に行き、そばを注文します。
そばを食べ終えた後、その男はそば屋に金を支払う際、数を数えながら一枚一枚小銭を渡します。
しかし、その数え方に巧妙なトリックが仕掛けられていて、そば屋に渡すはずの金額が少なくなってしまうのです。
そば屋は夜遅くでぼんやりしているため、騙されてしまいます。
その後、別の男がこの手口を知り、同じようにそば屋を騙そうと試みます。
しかし、彼が訪れた時刻は「時の鐘」が鳴る時で、その音に気を取られた結果、逆に自分が損をしてしまうというオチになります。
この噺は、単なる詐欺の話ではなく、リズム感やそばをすする音、金銭のやり取りの妙味が笑いを誘うポイントとなっています。
時そばのおもしろさ
「時そば」は、江戸の町人文化を背景に、商売の駆け引きや人情が細かく描かれている点でも魅力的です。
特に、そばを食べる様子や小銭を数えるシーンでは、話し手の技量が問われるため、落語家の個性が強く出る演目でもあります。
現代でも「時そば」は多くの落語家によって演じられており、それぞれの解釈や表現の違いを楽しむことができます。
関西では「時うどん」で知られています
また、この噺は「時うどん」という名前でも知られ、関西ではうどん屋が舞台となることが多いです。
地域による食文化の違いが反映されている点も面白く、江戸と上方(大阪)の文化比較としても興味深いです。
「時そば」は、初心者にもわかりやすく、また落語に親しんでいる人にも新たな発見がある、普遍的な面白さを持つ演目です。
蕎麦を通じて、江戸の粋や笑いのエッセンスを感じることができるため、一度は聞いておきたい落語の一つと言えるでしょう。
多くの落語家さんが演じられている項目でもあるので、ぜひ寄席やYoutubeなどでご覧ください。