おそばの豆知識

そばつゆを作るベース「かえし」について

みなさん、こんにちは。

福島県 福島市 鎌田卸町のそば屋「十割げた蕎麦 真なり」です。

このブログでは、おそばに関するちょっとした豆知識を紹介していきたいと思います。

今日のテーマは、おそばのつゆとなる「かえし」についてご紹介。

 

そばつゆを作るベース「かえし」について

「かえし」とは、そばつゆを作る際のベースとなる調味液のことです。

主に醤油・砂糖・みりんなどを合わせて作ります。

かえしは、そばの風味を引き立てるために重要な役割を果たしており、その味わいが蕎麦全体の印象を左右します。

かえしの種類や仕込み方にはさまざまな流派や技法がありますが、基本的には、熟成させてまろやかさを引き出すことが特徴です。

かえしの基本構成

かえしは一般的に以下の3つの材料で構成されます。

1. 醤油: かえしの主体となる調味料です。醤油の選定は、かえしの味わいを大きく左右します。濃口醤油が一般的に使用されますが、地域や好みによっては薄口醤油やたまり醤油が使われることも。醤油自体の旨みと香りが、そばつゆの風味を決めていきます。

2. 砂糖: かえしに甘さを加えることで、醤油の塩味がまろやかになり、そばつゆ全体のバランスが整います。砂糖の種類や量は、仕上がりの風味に影響を与えます。白砂糖や黒砂糖、ザラメなどが用いられ、それぞれが異なる風味をもたらします。

3. みりん: かえしに深みとコクを与えるために使用されます。みりんの甘みやアルコール成分が、かえしをより円やかにし、そばつゆに独特の甘味とツヤを加えます。みりんの量や種類によっても、最終的なそばつゆの味わいが変わってきます。

かえしの種類

かえしには、大きく分けて生(なま)かえしと本(ほん)かえしの2種類があります。

1. 生かえし:
生かえしは、加熱せずに醤油、砂糖、みりんをそのまま混ぜ合わせたもの。火を通さないため、醤油本来の風味や香りが強く残ります。生かえしは、比較的短い時間で作ることができる一方で、保存期間が短く、鮮度を保ちながら使用する必要があります。主に早めに使い切る用途に向いています。

2. 本かえし:
本かえしは、材料を混ぜ合わせた後、火にかけて加熱し、熟成させるものです。加熱することで、アルコール分が飛び、砂糖が溶けて、かえし全体に一体感が生まれます。加熱する過程で、風味がまろやかになり、保存性も高まります。本かえしは、そばつゆに使う際に多くの店や家庭で選ばれるスタイルです。

かえしの熟成

かえしを仕込んだ後、すぐに使わずに一定期間寝かせることで、味わいがより深くなります。特に本かえしの場合、冷蔵庫で数週間から数ヶ月間熟成させることで、醤油の塩味が和らぎ、まろやかな風味が引き出されます。この熟成期間が、そばつゆの質に大きく影響し、時間をかけて作られたかえしほど、奥深い味わいが楽しめます。

かえしの役割とそばつゆの関係

かえしは、そばつゆを作る際にだしと混ぜて使用されます。

一般的にかえしとだしは1:3の割合で混ぜることが多く、ここでだしの旨みがかえしに加わることで、そばつゆが完成します。

かえしの濃さや甘み、熟成具合によって、だしとのバランスを調整することが求められます。

かえしがしっかりと仕込まれていると、そばつゆ全体が風味豊かで深い味わいとなり、蕎麦そのものの味を引き立てます。

そばつゆを作るベース「かえし」について まとめ

「かえし」は、そばつゆの基盤を形成する重要な要素であり、その仕込み方や熟成の具合がそばつゆ全体の味わいを左右します。

生かえしは醤油本来の風味を楽しむことができ、本かえしは時間をかけてまろやかな味わいを引き出します。

蕎麦を引き立てるためにはかえしとだしのバランスが鍵となり、熟成したかえしが使われることで、より奥深いそばつゆを楽しむことができます。

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